黒部峡谷 下ノ廊下

                        2001.11.6 作成
                        2001.11.26 更新

2001年10月19日〜20日 天気=両日とも快晴!

紅葉見の混雑と朝晩の冷え込みを避けるため、10月の中旬に富山県は黒部川の
下ノ廊下に行ってきました。
写真でも判るように残念ながら紅葉はイマイチでしたが、天気もよく小屋・ルートともに
さほど混雑せず、しかも小屋泊まりの計画のため、あのアホのようなアタックザックも
背負うことなく、各自快適に楽しめたのではないでしょうか?

ちなみに下ノ廊下とは、北アルプス三俣蓮華岳に端を発し富山湾に注ぐ黒部川のうち、
平ノ渡から欅平までの部分をいいます。
激流に次ぐ激流で、明治時代から電源開発が進みました。黒部ダムから仙人ダムまでの
日電歩道は電源調査のために、仙人ダムから欅平までの水平歩道はダム建設のために、
絶壁に穴を穿ち人一人がやっと通れるほどの狭い道が作られました。
豪雪地帯でもあり、比較的安全に歩けるのは1年でもこの時期のわずか2ヶ月程度。
建設時から幾人もの命を飲み込み、整備が進んだ現在でも毎年何人かの方が転落する
ような場所ですが、その渓谷美・紅葉・歩いてしか行けない阿曽原温泉・・・素晴らしいの一言。
自分も実は今回が3回目だったりします。(←1年ごとに行ってます・汗)

メンバー:飛蝗・M監督(現場)・キャバリエ・自分

<<コースタイム>>
1日目:扇沢〜(トロリーバス)〜黒部ダム発7:45〜黒部別山谷出合10:55〜
     十字峡12:15〜仙人ダム14:05〜阿曽原小屋14:50
(コースタイム7:00・歩6:05・休1:00)

2日目:阿曽原小屋6:40〜折尾谷8:00〜志合谷9:10〜欅平10:40
(コースタイム5:00・歩3:35・休0:25)

10月18日(木)
雨が降り非常に肌寒い東京を出発。夕方の渋滞に巻き込まれるも八王子を過ぎると天気も回復し、
松本に着くころには快晴。早めに出発したこともあり、信濃大町にある立ち寄り湯「薬師の湯」に寄る。
この後白馬に移動し木下の別荘で就寝。

10月19日(金)


(黒部ダムから見る立山)

朝から快晴!だがメンバーの目覚めは悪い。学生は朝に弱いのぅ・・・トロリーバスの始発に間に合う
ように出発する。30分ほどで扇沢へ到着。ちなみに今回はマイカー回送サービスを使って宇奈月まで
車を回送してもらう。(大町トラッフィックサービスを利用)
この日のトロリーバスの始発は7:30.観光客・登山客ともにそれほど多いわけではない。バスは15分
ほどで黒部ダムへ。

準備もろくにせぬまま出発する。なにしろこの先は狭いルート。先行者を追い抜くにもすれ違うにも大変なわけで、
誰よりも早く歩き始めるに越したことはない。ダムの右裾を一気に河原まで降りる。ダム下で左岸に渡り1時間
ほどダラダラとした緊迫感のない道を歩く。が、1番に出発したはずなのだが、妙にくっきりとした足跡がある。なぜ?


(←ダムから少し林道を行く。↑ダムの100m下流にて黒部川を左岸に渡る。)

(←対岸に見える名も無き滝。↑内蔵助谷出合を渡る)

今回は小屋泊まりのため、とにかく荷物が軽い。南アルプスでの「死の林道20km行軍」に鍛えられた飛蝗・M監督・自分に
とっては楽勝、なはず。あっという間に内蔵助谷出合に到着。いいペースで歩いている。

この先は富山県警のHPによると大きな雪渓が2ヶ所あり、高巻きする場所もあるらしいから注意が必要じゃ、
などと言っていたら本当に大きな雪渓。写真見てもらえれば判ります。もう10月なのにすごい残雪ですな・・・
しかし高巻きの場所がわかりずらい!変なロープに従って崖を登っていったらすっごい場所に誘導されれ
落ちかけました。

雪渓を越え黒部別山谷出合に到着したのが10:40。やはり初めて下ノ廊下に来たメンバーが多いので、多少
ペースが落ち気味。雪渓の高巻きにも時間を食われたしなぁ・・・
あとこの辺から、前日黒部湖畔のヒュッテに泊まり、朝早立ちしていたパーティーに追いつくようになってきた。
しかも遅い上に後ろをまったく見ず、抜かそうにも狭くて抜かせない・・・朝見た足跡はこの人たちの足跡だったということが
ここで判明。


(←道を覆うように残る雪渓。高巻きを余儀なくされる。↑だんだん道が狭くなってきた・・・)
(←このロープの崖の上は・・・行き止まりでした(怒 ↓ちなみに足元は100mほど崖です。落ちたら即死亡)

気合を取り直し、10:55に出発。道はいよいよ下ノ廊下の核心部へと入る。(パノラマ写真を見てね)
微妙に紅葉には早かったのだが、それでも緑・紅・そして黒部川の青い色が混ざり合い、まさに絶景叶。
ようやくメンバーも足元に慣れ、日の高くなってきた道を十字峡へと急ぐ。4年前・一昨年はアタックザックだったから
もうこのへんでヘトヘトだった気がするが、今日はまったく好調。やはりこれからは小屋泊まり山行の時代なのだろうか。

けっこう飛ばしたせいもあるけれど、とにかく黒部別山谷出合から1時間ほどで十字峡に到着〜。ここ十字峡は黒部川に
右岸からは棒小屋沢が、左岸からは剣沢がそれぞれ直角に合流するポイント。道は黒部川の左岸を歩き、剣沢をつり橋で
渡ってゆく。何年か前にテレ朝のニュースステーションでここをヘリで上空から撮影していたが、本当に「直角に」合流していた。
十字峡はちょっとしたスペースがあって、張ろうと思えばテントも張れるし、休憩するには絶好のポイント。
また河原まで降りてゆけるウラ道(?)があって、剣沢の滝を間近に見ることも出来る。


(左・下ノ廊下ってこんな場所です。高度感がたまらんっ!右・十字峡から上流を見る)

(←S字峡。これまた絶景ですな!)

十字峡を過ぎれば、あとはS字峡を歩いて1時間半ほどで仙人ダムへ。
対岸に地下式の黒4発電所からの電線が見え、やがて大きなつり橋が
見えてくる。ここで日電歩道は一気に高度を下げ、つり橋を渡り、黒部川の
右岸へ。

ここからは20分ほどで仙人ダムへ着く。ダムの堰堤を再び左岸へわたり、
一度ダムの中に入って下流へ行く。途中トロッコ線路を横切る場所があるが、
ここから熱気がムッと出てくる。これが「高熱隧道」である。

「高熱隧道」・・・吉村昭著の仙人ダム及び黒部第3発電所の建設時の様子を
描いた小説。とりあえず読むべし。読んでからでないと、このムッとする熱気の
意味は判らない。ちなみに阿曽原温泉に使っている温泉の湯は、このトンネル
から湧き出たものである。


(↑これが高熱隧道の出口。100mも入れば我慢できないほどの熱気)

仙人ダムの関西電力の社員寮の脇を抜け、道はここから急な登りになる。
15分ほどでまた水平道に戻り、20分ほど歩くと、やがて左から剣沢小屋〜仙人池の
道と合流し、阿曽原小屋へ向けてゴロゴロとした下りになる。小屋到着は14:50。

ここの小屋は温泉を1時間おきに男湯・女湯にしている。(時間は日によって違う)
この日は15:30までが男湯だったのでいそいで温泉へ。次の時間帯は団体が小屋に
到着して混むとの予測だったが、これは正解だった。とりあえず担ぎ上げてきた酒で乾杯。
先客に写真を撮ってもらう。

 

 

 

(←黒部には湧き水が多い。↓サンダーバード号の秘密基地です。)


この日の小屋は定員一杯の混雑だった。
つまり1人布団1枚@1畳ってことです。
ちなみに次の日は定員の3倍の予約だ
そうです。恐ろしい・・・

とにかくこの時期は朝晩氷点下になっても
おかしくないほど冷え込むのに、布団1枚。
はっきり言って寒いです。寝れない・・・

しかも同部屋だった団体さんは早立ちという
ことで3時起床。オイオイ、いくらなんでも
早すぎるだろ!(実はそうでもなかったことが
欅平で判明)

 

 

 

 

 

 

10月20日(土)

例によって朝食の時間になるまで起きない。寒い〜。さくっと朝食を済まし、出発。まだご飯消化してないよ・・・
今日は紅葉見物の観光客が大挙してトロッコ電車で欅平に押し寄せるとの情報。なるべく早く着かなくては!
とにかく6:40に出発。体操してません。眠いです。

まずはいきなりの急登。例によって運動に胃の消化が間に合わず・・・
荷物が軽いのが救い。今日もハイペースでどんどん進む。狭い道にも慣れたし(本当は慣れが怖いんだけど)
1時間強で折尾谷の沢を渡る。ここは下の写真でも判るようにトンネルで沢の裏側を抜けるようになっている。

(紅葉には少し早かったなぁ・・・)

ふたたび歩き始め、また1時間ほどで今度は志合谷に到着。ここは折尾谷と同じく沢をトンネルでくぐるのだが、ここのトンネルは
中が真っ暗なうえに、水浸し。天井も低くて距離も長い。一人だと不気味なんだろうな。ヘッドライトは必須です。

(この辺の様子は、このページの一番上のパノラマ写真を見てください)

志合谷から1時間ほどで欅平の上に到着。ここで大きな鉄塔をくぐると、いよいよ一気に300mの急降下。昨日からの30q歩行で
膝が笑いかけたころ、欅平に到着!お疲れ様でした!

欅平は、やっぱり大混雑でした。ハイペースで歩いてきて正解。ちなみに前日同部屋だった団体さんは1時間半も早く出発したのに
同時刻に欅平に着いてました。やっぱり速さって、登山でも武器になるんだな。ま、こんなこと出来るの若いうちだけなんだろうけど。


とりあえず僕と握手!(アホか・・・)

欅平から1時間20分で宇奈月温泉まで。トロッコは吹き晒しで寒い!

宇奈月で預けておいた車を受け取り、宇奈月〜朝日〜親不知(休憩)〜糸魚川〜〜南小谷〜白馬とドライブ。(疲れた)
白馬で例によってBBQを開催。題目は・・・「肉骨粉パーティー」。不謹慎ですね。

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